映画レビュー【1%の風景】妊婦さんとそのご家族に観てほしい

妊婦さんにおすすめの映画 子育て

妊娠33週3日。ママ友に誘われたことと、自身も出産への士気を高めようということで「1%の風景」という映画を観に行きました。ネタバレはせずに率直な感想を残しておこうと思います。

映画1%の風景とは?

助産所や自宅での出産を決めた4人の女性と、彼女たちをサポートする助産師の姿をとらえたドキュメンタリー。日本では現在、99%のお産が病院や産院などの医療施設で行われている。そんな中、助産所では1人の助産師が医療機関と連携しながら、妊娠・出産・産後と子育ての始まりまで、一貫して母子をサポートする。
自身も第2子を助産所で出産し、助産ケアのきめ細やかさと奥深さに感動したという吉田夕日監督が、都内にある2つの助産所を4年間にわたって取材。命を産み、育てようとする女性たちと助産師が過ごすささやかな日々にカメラを向け、多様化する社会で失われつつある“命の風景”を映し出す。

助産所とは

あまり知られていない助産所という場所。そこでは助産師が医療機関と連携し、妊娠、出産、産後と子育ての始まりまで、一貫して母子をサポートしています。健診のたびに顔を会わせ、お腹にふれ、何気ない会話を交わす。妊婦と助産師はささやかな時間を積み重ね、信頼関係を築き、命が生まれようとする“その時”をともに待ちます。
初めてのお産に挑む人、予定日を過ぎても生まれる気配のない人、自宅での出産を希望する人、コロナ禍に病院での立ち合い出産が叶わず転院してきた人。都内にある二つの助産所を舞台に4人の女性のお産を撮影したのは、本作が初監督作品となる吉田夕日。第一子を病院で、第二子を助産所で出産した経験から、助産師の仕事とその世界をもっと知りたいと本作の制作を決意しました。
この映画で描かれるのは助産所や自宅での自然分娩です。しかし、大切なのは場所や方法を問わず、命を産み、育てようとする女性のそばに信頼できる誰かがいる、ということ。近年、さまざまな理由によりお産を取りやめる助産所が増えています。社会が多様化し、選択肢がひろがる一方で、失われつつある“命の風景”をみつめた4年間の記録です。

助産院や自宅での出産について

100人に1人が助産院や自宅出産をされているということにとても驚きました。

私自身はそもそも助産院、ましてや自宅で出産するという選択肢は頭をよぎったこともなかったです。私は、2021年に第1子を里帰りにて出産していますが、地元では有名な大きな病院で生みました。また、里帰りするまでは、現在の自宅があるところの周辺の産婦人科で口コミが良かったところを探して、検診に行っていました。ただでさえもリスクが高い妊娠や出産。安心して妊娠期間の経過を観察できることや安全に出産ができること、またその後のケアのことを考えても実績のある病院を選択することが当たり前だと思っていたのです。

そのため、今回映画に誘ってくれたママ友が第1子を助産院、第2子を自宅出産しているということが信じられませんでした。

しかし、映画を観て、妊婦さんにとっての本当の安心・安全ってなんなんだろうと改めて考えさせられることになったのです。

私の第1子出産エピソード

私は第1子をコロナ真っ只中の2021年5月に出産しています。病院側としてもなるべく感染拡大を防がないといけないので、妊婦検診はもちろん夫の付き添いはなく、1人での受診。出産時はマスク着用。立ち会い出産についてもNGにしているところが多かったのです。私の出産した病院は出産ギリギリに夫1人のみ立ち合いが許されていました。(その後の入院生活はもちろん面会は禁止)

この痛みはどのくらいまで増すのか、何時間痛みに耐えないといけないのか、、、

そして様子を見にきてくれる助産師さんも毎回人が違っていて、すぐに別の妊婦さんのところに行ってしまう。

当時は初めての出産で必死だったし、まだ自分は直前に夫の立ち会いもできるから恵まれている方なのではないかと思っていましたが、今思うととても孤独な出産だったのかもしれないなと感じます。

映画1%の風景を観た感想

映画の中で描かれている世界と私自身の妊娠・出産の経験との違いで一番大きいと思ったのは、妊婦の時から出産、そして産後まで一貫して1人の助産師さんがみてくれていることでした。辛い時・不安な時にそばにいてくれる人がいてくれることで、人は支えられ、頑張って乗り越えることができます。長時間の陣痛に耐えなければいけない出産の時にずっと励ましてくれたり、アドバイスをくれたり、また産後は話や相談相手に気軽になってもらえる存在は、妊婦(産婦)にとって非常に大切です。私の第1子出産時はそういう存在がいませんでした。出産時に抱える不安はYouTubeなどの動画や知恵袋などで事前にチェック、生まれてからの疑問点もネットで検索していました。たくさんの情報に触れることができる社会になりましたが、やはり人は誰かとともに生きていくもの。産後は、誰かと話したくて児童館や地域のイベントに顔を出し、誰かと話をすることで自分自身を保っていた気がします。

今回この映画を観たことで助産院や自宅出産することへの考え方が大きく変わりました。人生でそこまで数を多く経験することがない妊娠・出産・子育てという貴重な機会。大切なのは場所や方法ではなく、信頼できる誰かそばにいてくれる、というメッセージに深く考えさせられるものがありました。

第2子出産を控えて思うこと

今回第2子は里帰りせずに、自宅近くの産婦人科での出産を選択しました。アットホームな産院で、産前のマタニティクラスやヨガ、産後は月齢の近い母子の交流会なども開催してくれており、第1子の時とは違う環境を楽しんでします。今回の出産がどんな状況になるかわかりませんが、付き添ってくださる先生や助産師さん、夫とともに出産に臨めることは今回非常に心強く、前回よりも心に余裕を持って、出産を味わうことができそうだなと感じています。

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